医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 横浜市立大 ヒト軟骨を再生する三次元共培養法を確立

横浜市立大 ヒト軟骨を再生する三次元共培養法を確立

読了時間:約 53秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2014年09月17日 PM05:30

神奈川県立こども医療センター形成外科の小林部長らと共に

横浜市立大学は9月10日、今までに着目されてこなかったアイデアで、ヒト軟骨を効率的に再生する手法を発見したと発表した。


画像はプレスリリースより

この研究成果は、同大大学院医学研究科 臓器再生医学の武部貴則准教授や谷口英樹教授、神奈川県立こども医療センター形成外科の小林眞司部長らの研究グループによるもの。米科学雑誌「The Journal of Clinical Investigation」オンライン版に現地時間9月9日付で掲載されている。

足場材料や成長因子が不要な培養法

研究グループはまず、ライブイメージングによる軟骨発生・再生プロセスの追尾観察で、成体では血管のない単純な組織である軟骨においても軟骨前駆細胞の分化段階では血管が一時的に存在することを発見したという。

さらに、2011年に同定したヒト耳介由来軟骨前駆細胞と、ヒト臍帯から分離した血管内皮細胞を組み合わせることによって、血管様構造を有する立体組織を自律的に誘導することに成功。足場材料や成長因子などを用いる必要もなく培養でき、そのまま移植実験に利用できる「」を確立したとしている。

また、この培養法を用いた三次元組織は、一般的な凍結法によって保存することも可能であり、今後、安全性やコストの面で極めて有益な軟骨再生技術となることが期待される。(小林 周)

▼外部リンク
横浜市立大学 プレスリリース

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 「働きすぎの医師」を精神運動覚醒テストにより評価する新手法を確立-順大ほか
  • 自己免疫疾患の発症、病原性CD4 T細胞に発現のマイクロRNAが関与-NIBIOHNほか
  • 重症薬疹のTEN、空間プロテオミクス解析でJAK阻害剤が有効と判明-新潟大ほか
  • トリプルネガティブ乳がん、新規治療標的分子ZCCHC24を同定-科学大ほか
  • トイレは「ふた閉め洗浄」でもエアロゾルは漏れる、その飛距離が判明-産総研ほか