週2回の定期投与レジメンで、年間出血率中央値が95%低減
米バクスターインターナショナルインクは8月21日、血友病A患者用の治験薬「BAX855」について、第3相臨床試験の主要評価項目で統計学的に有意な結果が得られたことを発表した。
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BAX855は、遺伝子組換え型血液凝固第8因子製剤の「アドベイト」をもとに、半減期を延長して開発された薬剤。発表されたのは、国際共同前向き多施設第3相ピボタル臨床試験の結果で、出血時投与群と比較したところ、定期投与群で年間出血率(ABR)に統計学的有意な低減が確認され、主要評価項目が達成されたという。
試験は多施設共同非盲検試験として、治療歴を持つ138人の青少年および成人の血友病A患者を対象として実施。患者にはBAX855を45IU/kgで週2回投与、または出血時投与を行い、6か月間追跡調査した。すると週2回定期投与群患者では、出血時投与群に比べ、ABR中央値で95%の低減がみられたという。
今年末までにはFDAに承認申請、近く追加データも示す予定
またこの試験では、BAX855を定期投与または出血時投与のいずれかにおける治療レジメンで用いた場合における安全性および免疫原性についても評価した。
BAX855は出血時補充療法でも有効性を示し、96%は1回または2回の投与でコントロールが可能であったという。BAX855の半減期は、第1相試験で確認された結果と同様、アドベイトの1.4~1.5倍と確認されている。今回の試験におけるBAX855に対するインヒビターの発現、および過敏症など治療に関連する重篤な有害事象はみられていないそうだ。
バクスターでは今回の良好な結果を受け、今年末までにはBAX855の生物学的製剤承認申請を米国食品医薬品局(FDA)に行う予定であるという。また、今後数か月のうちに追加データを示すとしている。
さらにピボタル試験を完了した患者を対象に継続試験を実施しているほか、12歳未満の治療歴のある重症血友病A患者60人を対象としたBAX855の安全性と有効性を評価する第3相前向き非盲検多施設共同試験も開始。小児試験完了時に欧州医薬品庁(EMA)に対する医薬品販売承認申請を行う計画であるとしている。(紫音 裕)
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・バクスター株式会社 ニュースリリース