アレルギー学会会員も半数をわずかに超える程度
入口に「アレルギー科」と表示している医療機関でも、アレルギー学会の専門医資格を持つ医師がいるとは限らないことが、アレルギー疾患対策の均てん化に関する研究班(研究代表者・国立成育医療研究センター・斎藤博久)が2014年2~3月に行った医師・患者双方の大規模全国調査により明らかになった。
この調査は、患者側の要望(厚生労働省疾病対策課アレルギー対策作業班2011年2月会議)を受けて厚生労働省と日本アレルギー学会が協力する形で実現した。有効回答は医師1052人、患者8240人。
今回の調査回答者のうち専門医資格者は30%にとどまり、学会会員は52%であった。また、患者側も「自分のかかりつけ医が専門医かどうか、わからない」とするものが多く、最も少ない食物アレルギーでも46%、最も多いアレルギー性鼻炎では70%の患者が、専門医かどうかを全く気にしていないことがわかった。
専門医より多数の患者を診る非専門医は珍しくない
さらに今回の調査では、専門医だからといって一概に患者数が多いわけでもなく、逆に非専門医の診療患者数が少ないわけでもないことも明らかになった。
1週間に100人以上診るような医師でも、非専門医が占める割合の方が多かった。一方で、患者数の少ないアレルギー専門医がいることは問題ではなく、免疫系の希少疾患や最重症の患者のみを診療している大学病院及び研究病院の医師には、そうした現象が起こりうる。
今回の調査は以下サイトで情報公開している。
⇒『全国のアレルギー治療実態とガイドラインのギャップ』