深部静脈血栓症および肺塞栓症の治療などを適応に
米ブリストル・マイヤーズ スクイブ社とファイザー社は8月21日、「エリキュース(R)(一般名:アピキサバン)」について、深部静脈血栓症(DVT)および肺塞栓症(PE)の治療ならびに治療後のDVTおよびPEの再発抑制を適応として、米国食品医薬品局(FDA)より追加承認を取得したことを発表した。
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今回の承認申請は、AMPLIFY試験およびAMPLIFY-EXT試験のデータに基づいて行われた。ランダム化二重盲検試験であるAMPLIFY試験では、DVTおよびPEの治療に対するエリキュースの有効性と安全性を明らかにすることを目的として実施され、症候性DVTおよびPEが確認された患者が参加した。
エリキュース群が2,609例に対して、エノキサパリンを5日以上投与し、並行してワルファリン(国際標準比(INR)2.0~3.0)を6か月間経口投与する標準療法群が2,635例だった。
主要有効性評価項目で非劣性、主要安全性評価項目では優越性示す
同試験において、エリキュース10mgを1日2回1週間投与した後、5mgを1日2回6か月間投与する群では、主要有効性評価項目である症候性VTEの再発またはVTE関連死について、DVTおよびPEの標準療法群と同様であることが明らかとなった(2.3%vs.2.7%、相対リスク0.84、95%信頼区間[CI]:0.60-1.18、非劣性に関してP<0.0001)。
また、エリキュースは主要安全性評価項目である大出血(2g/dL以上のヘモグロビンレベルの低下、2単位以上の濃厚赤血球の輸血などと定義)に関し、標準療法に対して優越性を示したという(0.6%vs.1.8%、相対リスク0.31、95%CI:0.17-0.55、優越性に関してP<0.0001)。
さらに副次的安全性評価項目である臨床的に重要な非大出血(CRNM)の発現頻度は、エリキュース群の方が標準療法群よりも低くなった(3.9%vs.8.0%)。CRNMは、大出血の定義を満たさないが、医療介入、医師の診察、試験薬を中止、または日常生活上の不快・支障を来すような出血と定義された。
なお、同試験における出血を原因とする投与中止は、エリキュース群で0.7%、標準療法群で1.7%だったとしている。(小林 周)
▼外部リンク
・ブリストル・マイヤーズ株式会社 プレスリリース