日本初、経口薬のみによるC型慢性肝炎の治療法
ブリストル・マイヤーズ株式会社は9月3日、7月4日に世界に先駆けて日本で承認を取得していた2種類の経口抗ウイルス剤「ダクルインザ(R)錠60mg(一般名:ダクラタスビル塩酸塩)」、「スンベプラ(R)カプセル100mg(一般名:アスナプレビル)」を発売したと発表した。
画像はプレスリリースより
ダクルインザ、スンベプラの併用療法は「セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変における次のいずれかのウイルス血症の改善:(1)インターフェロンを含む治療法に不適格の未治療あるいは不耐容の患者、(2)インターフェロンを含む治療法で無効となった患者」を効能・効果としている。
高齢者が多いC型慢性肝炎、C型代償性肝硬変患者
日本には現在、150~200万人のC型肝炎ウイルス感染者がいるとされ、C型慢性肝炎およびC型代償性肝硬変患者の多くは65歳以上である。これまでのインターフェロンを用いた治療は、高齢者においては、効果が低くまた副作用による治療中止も多かった。そのためインターフェロンおよびリバビリンを必要としない、経口薬のみによる治療である今回の併用療法に対する期待は大きい。また、同併用法によって投与方法や副作用管理も簡便となることで、C型慢性肝炎の治療において重要とされる薬剤アドヒアランスの向上が図れる。
治験責任医師で広島大学医学部教授の茶山一彰氏はニュースリリースで、
「日本のC型肝炎患者の多くは高齢者で、従来の治療を受けることができないか、または治療に効果が見られません。ダクルインザとスンベプラの2剤が日本で初めて発売されたことにより、このような患者さんに対して、忍容性が良好で、高率の治癒につながる有効な治療選択肢が初めてもたらされました」(ブリストル・マイヤーズ株式会社 ニュースリリースより引用)
と述べている。
なお、ダクルインザおよびスンベプラについては現在、C型慢性肝炎のインターフェロンを含む治療法に適格の未治療患者および前治療再燃患者に対する適応追加申請を行っている。(QLifePro編集部)
▼外部リンク
ブリストル・マイヤーズ株式会社 ニュースリリース