同社が初めて臨床試験を開始した医薬候補品
富士フイルム株式会社は8月28日、再発・難治性骨髄異形成症候群(MDS)を対象とした抗がん剤「FF-10501」の第1相臨床試験を、米国において開始したと発表した。
画像はプレスリリースより
FF-10501は富士フイルムが自社での研究・開発をもとに、初めて臨床試験を開始した医薬候補品。同社が写真フィルムの開発で培った高い化合物の合成力・設計力を活かして製剤の経時安定性を向上させ、優れた解析技術を駆使することで、新規作用メカニズムを解明し、薬効を確認できるバイオマーカーの候補を同定した抗がん剤であるという。
日本では第1相臨床試験中で、血液がん細胞の増殖を抑制するほか、正常機能を持つ血球細胞への分化を促進することが期待されている。
MDアンダーソンがんセンターで前期第2相試験まで実施予定
試験を行うテキサス州立大学・MDアンダーソンがんセンターは、がん領域で世界トップレベルの研究・治療施設。約2万人のスタッフを有し、年間1万人以上の治験参加患者数を誇る。
第1相から前期第2相までの臨床試験をMDアンダーソンがんセンターで行うことで、FF-10501の安全性と初期の有効性の確認を目指すという。また、今回は治験責任医師としてMDS領域で世界的に著名なGarcia-Manero教授が主導し、MDS患者由来のがん細胞を用いたFF-10501に関する共同研究も実施するとしている。(小林 周)
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・富士フイルム株式会社 ニュースリリース