化血研の酵母由来組換え沈降B型肝炎ワクチンについて
第一三共株式会社は8月28日、一般財団法人化学及血清療法研究所と、化血研の製造販売する組換え沈降B型肝炎ワクチンである「ビームゲン(R)」について、8月22日付で販売提携契約を締結したことを明らかにした。
同剤は、「ビームゲン注 0.25mL」「ビームゲン注 0.5mL」の販売名で取り扱われている酵母由来の組換え沈降B型肝炎ワクチン。化血研が純国産技術で製造した遺伝子組換え医薬品であり、1988年3月29日に承認を取得している。
B型肝炎予防とワクチン市場におけるプレゼンス向上を目指す
ビームゲンは、B型肝炎の予防およびB型肝炎ウイルス母子感染の予防、HBs抗原陽性でかつHBe抗原陽性の血液による汚染事故後のB型肝炎の発症予防を効能・効果とするワクチン。
B型肝炎予防に対しては、通常0.5mLずつ4週間隔で2回、20~24週を経過したのちに1回0.5mLを皮下または筋肉内に注射する。対象患者が10歳未満の場合には、0.25mLずつを同様の投与間隔で皮下注射する。ただし、能動的HBs抗体が獲得されていない場合には、追加注射を行うこととされている。
B型肝炎ウイルス母子感染の予防においては、抗HBs人免疫グロブリンと併用し、0.25mLを1回、生後12時間以内を目安に皮下注射する。さらに0.25mLずつを1か月後および6か月後の2回、同様に注射する。この場合も、能動的HBs抗体が獲得されていない場合には、追加注射を行う。
HBs抗原陽性かつHBe抗原陽性の血液による汚染事故後のB型肝炎発症予防に用いる場合では、抗HBs人免疫グロブリンと併用し、通常0.5mLを1回、事故発生後7日以内に皮下または筋肉内に注射する。さらに0.5mLを初回注射から1か月後と、3~6か月後の2回、同様の用法で注射する。対象者が10歳未満の場合には、0.25mLずつを同様の投与間隔で皮下注射する。能動的HBs抗体が獲得されていなければ、追加注射するものとなる。
今回の契約により、第一三共は日本国内におけるビームゲンの販売権を獲得する。よって製造元が化血研、販売元が第一三共となる。第一三共では今後、B型肝炎予防に取り組むとともに、国内ワクチン市場におけるプレゼンス向上を図っていくとしている。(紫音 裕)
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・第一三共株式会社 ニュースリリース