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日本病院薬剤師会関東ブロック学術大会、問題解決能力が重要に―6年制でシンポ

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2014年09月03日 AM09:54


■現場ニーズ把握し教育を

日本病院薬剤師会関東ブロック学術大会が8月30、31の両日、さいたま市で開かれた。学術大会では、2012年に初の6年制薬剤師が誕生してから3年が経過する中、医療現場が求める薬剤師像をテーマにしたシンポジウムを行い、病院や薬局に勤務する薬剤師から6年制薬剤師に対して、大学で学んだ医薬品の知識を応用して問題解決に結びつけられる能力や、コミュニケーション能力などを求める声が上がった。中でも、問題解決能力については「個々の医薬品の知識はあっても、臨床の場で必要な薬の知識は不足している」などの意見も出て、実務実習を通して知識と知識を結びつけて問題解決に導く能力を養うことの重要性が示された。

シンポジウムの演者ら

松本富夫氏(獨協医科大学越谷病院)は、同大学3病院の薬剤師を対象に、医療現場で役立ったと感じた薬学教育や、足りないと感じた教育内容などを把握するために行ったアンケート調査の結果を報告。

回答が寄せられた6年制卒の薬剤師17人の結果を見ると、詳細な相互作用、病態生理学や作用機序を含めた薬理学、臨床検査など、より臨床的な知識が大学の薬学教育で不足していたと感じていることが分かった。学生時代に役立った経験については、実務実習や学会発表を挙げる者が多かった。

また、実際に病院薬剤師になってみて必要と感じた能力としては、医療に関する幅広い知識や医師と共に最適な薬物療法を提供する能力をはじめ、薬剤の有効性や副作用のモニター、多職種からの薬の相談に応じる能力、医療スタッフとのコミュニケーション能力などが挙がった。

菅原直人氏(さいたま赤十字病院)は、新人の薬剤師に薬剤に関する質問を投げかけても、適切な回答が返ってくることが多く、「個々の薬剤について多くの知識を得てきている」と感じるという。

ただ、それらの知識を実際の医療現場でどう生かすかということになると、「知識と知識の関連づけが困難なようだ」と指摘。暗記に頼った知識だけでなく、「自分の知識をどう応用できるかを常に考え、問題解決に結びつけられる薬剤師が理想」とし、そのためには、これまで以上に早い段階から医療現場のニーズを踏まえた教育を意識することや、実務実習を通して知識と知識を結びつけて問題解決に導く能力を養うべきとの考えを示した。

田島敬一氏(熊谷市薬剤師会会営薬局江南店)は、腎疾患を持った患者が漢方トローチを購入しようとした事例を紹介。

対応した薬剤師は、患者とのやり取りから、カリウムに注意が必要なことが分かったため、製造メーカーにカリウムの含有量などを問い合わせて判断しようとしていたが、先輩薬剤師からのアドバイスにより、厳格なカリウム制限が必要なほど重症化していないことや、腎疾患患者には、トローチに含まれるカンゾウやグリチルリチン酸に対する偽アルドステロン症に注意すべきことが分かったという。

 

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