重症の気管支喘息の小児患者の治療に
ノバルティス ファーマ株式会社は8月20日、気管支喘息治療剤「ゾレア(R)皮下注用75mg、150mg(一般名:オマリズマブ(遺伝子組換え))」の小児適応の追加と投与対象拡大に関する承認を取得したと発表した。
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気管支喘息の小児患者には、吸入ステロイド薬などの既存治療薬では症状を十分にコントロールできない難治の患者がいる。これらの小児患者は、喘息症状により日常生活が制限され、夜間睡眠も妨げられるなど、身体的・精神的負担を抱えている。また、喘息の増悪による救急外来受診や、緊急入院のリスクも高いという。
さらに小児期に重症の場合、その後の寛解率が低く、予後も不良とされる。そのような難治の小児患者に、症状のコントロールを改善する治療が求められていた。
IgE濃度1,500IU/mLまでの患者への投与拡大
ゾレアはアレルギー性の気管支喘息の治療剤として、2009年1月に「ゾレア皮下注用」150mg、2012年9月に75mgが製造販売承認を取得した。アレルギー反応に関与するIgEに直接結合してその作用を阻害することで、アレルギー炎症反応を抑制。高用量の吸入ステロイド薬や複数の治療薬でも症状がコントロールできない難治の患者に対して、2週間または4週間ごとに皮下注射する。
今回、新たに小児適応が追加され、また投与量換算表の変更によりIgE濃度が1,500IU/mLまでの患者への投与拡大が承認された。さらに患者の通院負担の軽減等を目的として、既承認の投与量換算表で2週間投与とされていた一部の範囲が、1回当たりの投与量を2倍、投与間隔が4週間に変更された。(馬野鈴草)
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ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース