文部科学省の医学部設置構想審査会は8月28日、東日本大震災からの復興支援策で、東北地方の1校に限って認める医学部新設について、東北薬科大学の医学部構想を選定した。名称を東北医科薬科大に変え、2016年4月の開設を目指す。審査会は選定の条件として、東北各県や大学、関係団体からなる運営協議会を立ち上げて教員の確保や卒業生の地域定着策を協議することなどを求めており、同大学が設置認可を申請する来年3月までに、条件を満たしているかどうかを確認する。その後、大学設置・学校法人審議会の審査を経て、来年夏にも正式認可される見通し。同大学の高柳元明理事長は、「これまでの医療人養成の実績が評価された」と選定の喜びを示すと共に、「課題が山積しているので、今後、どう対応するか考えたい」とコメントした。
■教員確保など七つの条件も
審査会は、昨年12月の「東北地方における医学部設置認可に関する基本方針」に掲げた趣旨や、▽東北地方の将来の医療ニーズを踏まえた教育の実施▽引き抜きなどで地域医療に支障を来さない教員医師の確保策▽卒業生が東北地方に残り医師不足解消に寄与する▽将来の医師需給に対応した定員調整の仕組み――の四つの留意点を踏まえ、3者の構想を評価した。