NF-κBデコイオリゴを用いた軟膏製剤
アンジェス MG株式会社は8月25日、同社の核酸医薬「NF-κBデコイオリゴ」を用いたアトピー性皮膚炎治療薬について、国内における第3相臨床試験への移行が決定したと発表した。
このNF-κBデコイオリゴを用いた軟膏製剤は、アンジェス MGが日本国内で実施した第2相臨床試験において、中等症以上のアトピー性皮膚炎の顔面における症状で改善効果を示すことが明らかとなっている。また、既存の治療薬が有する皮膚刺激性や局所副作用を呈しないことが確認され、新たな作用機序の刺激性が少ない外用剤として、実用化が期待されている。
なお、軟膏製剤では適応が顔面に限られるため、より広範囲な適応を目的に皮膚浸透性を向上させた新製剤の開発も進めてきていたが、国内における第1相臨床試験の結果、第2相臨床試験には移行せず、新たな製剤技術を検討することが決定している。
軟膏製剤での早期製品化目指す
こうした開発戦略の変更があったが、軟膏製剤については開発ステージが進んでいることから、適応は顔面に限定されるものの、早期製品化の可能性があることを考慮し、国内での第3相臨床試験に移行させることを決めたという。
アンジェス MGでは、このNF-κBデコイオリゴを用いたアトピー性皮膚炎治療薬の開発方針について、塩野義製薬株式会社と合意しており、今後この第3相臨床試験に関する詳細についても両社で検討を進めていく予定。臨床試験の主体はアンジェス MGとなり、開発を進めるとしている。
試験は、アトピー性皮膚炎患者を対象としたプラセボ対照二重盲検ランダム化比較試験としてデザインされる予定という。試験の開始は、平成27年12月期以降となる見込みとしている。(紫音 裕)
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・アンジェス MG株式会社 ニュースリリース