複数の自閉症モデルマウスを用いて
東京大学大学院医学系研究科・医学部は8月22日、自閉症モデルマウスに共通する脳神経回路の変化を明らかにしたことを発表した。
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これは、東京大学大学院医学系研究科 分子細胞生物学専攻 神経細胞生物学分野の岡部繁男教授、理化学研究所脳科学総合センター、信州大学などの共同研究によるもの。
岡部教授らは最先端の顕微鏡技術を使用し、自閉症モデルマウスの成長過程における脳内の神経細胞同士のつながり(シナプス)の変化を計測。全く異なる遺伝的背景を持つ複数のモデルマウスの神経回路を調べた。
シナプスの純増数が変化しないことを明らかに
その結果、これらのモデルマウスでは共通して、達早期にシナプスが過剰に形成され、また一旦形成したシナプスが壊されていることが分かったという。形成速度と消失速度は同じように上昇することから、両方の値を差し引いた結果であるシナプスの純増数は変化しないことも明らかになったとしている。
この研究成果は、シナプスが変化する過程を観察することによって自閉症スペクトラム障害に特有の変化を捉えたものとされ、今回の発見は自閉症スペクトラム障害に対する薬剤の効果の指標などとして役立つものと期待される。(小林 周)
▼外部リンク
・東京大学大学院医学系研究科・医学部 プレスリリース