ストレスを強く感じると、健康上の問題を引き起こしてしまうという事実は、この数十年で広く知られるようになってきました。この「常識」を更に裏付ける報告がドイツから寄せられています。
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仕事に関係するストレスが強い人たちは、仕事の上でのストレスがないとする人たちと比較すると、2型糖尿病を発症するリスクが45%も高くなるというのです。
研究の対象となったデータは、ドイツで行われた健康に関する大規模な調査のために集められたもので、開始時に糖尿病にかかっていない29歳から66歳の人たち5,337人分です。それらの平均13年間の変化について分析しました。
対象者のうち、13年後までに2型糖尿病の診断を受けた人は、291人。この人たちについてさらに分析を行ったところ、これまでにも知られてきた肥満や年齢、性別などという条件に並んで、仕事の上でのストレスも糖尿病の診断との関連があることが分かったのです。
このデータでは、働いている人の5人に1人が、仕事に関しての強いストレスを抱えていることが分かりました。やらなければいけないことが多いのに、仕事に関する調整があまり行われない場合、ストレスが高いと認識する人が多いようです。
また、仕事上のストレスを抱えている人の2型糖尿病リスクが単純に高いだけではなく、ストレスレベルが高まると更に糖尿病リスクもアップすることも確認されました。
忙しい仕事をこなすために、健康であることはとても大切です。今回の調査では、「仕事量や時間が多いこと」「仕事の量や時間に関しての調整が行われないこと」がストレスにつながるとされています。仕事のストレスと聞いて思い当たる人は、まずは仕事の割り振りやスケジュールを調節するところからはじめてはいかがでしょう。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
・Job Strain as a Risk Factor for the Onset of Type 2 Diabetes Mellitus: Findings From the MONICA/KORA Augsburg Cohort Study.
・Work-related stress is a risk factor for type 2 diabetes