ギリアド・サイエンシズ社開発の抗ウイルス化学療法剤
ヤンセンファーマ株式会社は8月21日、ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)感染症治療薬となる抗ウイルス化学療法剤(一般名:リルピビリン塩酸塩/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩/エムトリシタビン配合錠)について、日本国内における製造販売承認申請を行ったことを発表した。
画像はwikiメディアより引用
同剤は米ギリアド・サイエンシズ社によって創製された、NNRTIであるリルピビリン塩酸塩と、非核酸系逆転写酵素阻害剤(NRTI)であるテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩、およびエムトリシタビンの3成分を固定用量で配合したフィルムコーティング錠。HIV-1感染症治療薬の治療経験がない成人HIV-1感染症に対する治療薬として、2011年8月に米国で承認された。
2014年7月現在では、60の国と地域で承認を取得している。また、HIV-1感染症治療薬の治療歴のある患者における治療薬としても、欧州や米国などで追加適応が認められている。ただし米国では、ウイルス学的抑制が得られている患者で同剤に切り替えを行う場合に限られる。
1日1回1錠の服用で長期服薬における患者負担を軽減
ヤンセンは今回、海外承認審査資料に基づき、HIV-1感染症治療薬の治療経験がない成人HIV-1感染患者およびHIV-1感染症治療薬の既治療患者(ウイルス学的抑制が得られており同剤へ切り替える場合)に対する治療薬として、厚生労働省に製造販売承認申請を行った。
リルピビリン塩酸塩は「エジュラント(R)錠25mg」として2012年5月に、テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩は「ビリアード(R)錠300mg」として2004年3月に、またエムトリシタビンは「エムトリバ(R)カプセル200mg」として2005年3月に、それぞれ日本で承認されている。配合錠としては、テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩とエムトリシタビンを含有する「ツルバダ(R)錠(現販売名:ツルバダ配合錠)」が2005年3月に承認を取得している。
今回申請が行われたHIV-1感染症治療薬 抗ウイルス化学療法剤が承認されれば、抗HIV治療ガイドライン2014年3月版で提唱されている抗レトロウイルス療法を、1日1回1錠の服用で行うことが可能となる。よってヤンセンファーマは、同剤により患者の長期服薬における負担軽減が期待できるとしている。(紫音 裕)
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・ヤンセンファーマ株式会社 プレスリリース