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日本学術会議・日本薬学会共催シンポジウム、地域包括ケアに貢献へ―山本日薬会長が将来像

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2014年08月27日 AM09:48

日本学術会議と日本薬学会は共催でシンポジウム「薬剤師の職能将来像と社会貢献」を25日、都内で開いた。日本薬剤師会の山本信夫会長は2025年を想定し、薬局・薬剤師がチーム医療に参画し、医療・介護にかかわると共に、地域での健康情報発信拠点としてセルフメディケーションに関与することで薬局機能を発揮し、そのことが社会貢献につながるとし、そのための会員指導、仕組み作りを進めたいとの意向を語った。

山本氏は25年に向け進められつつある「地域包括ケアシステム」という新たな概念に基づき、薬局・薬剤師の将来像について考えの一端を示した。特に介護を含めた地域医療の体制において薬局がどういう機能を果たすべきかに言及。

厚生労働科学研究「薬局に求められる機能とあるべき姿」報告書の内容を踏まえ、処方箋に起因した最適な薬物療法の提供、地域のチーム医療における医療安全の確保、地域での医薬品を含めた必要な医療材料等の供給が薬局に対し期待されており、担っていくべきこととした。また、経済的側面からも後発品の使用促進は薬局機能の一つとした。

一方、処方箋に限らず、セルフメディケーションにも言及。「地域の中で健康に問題がある時に、まずは薬局に飛び込んでもらい、そこで受診勧奨したり、手持ちの薬で済ませてみたりという機能を発揮すべき」と、薬局において少なくとも重症化を防ぐことが重要とした。その際、患者の生活習慣等まで十分な知識を持ちながら薬学的管理を果たすことが求められており、こうした機能を発揮することが社会貢献につながるとした。

一方、介護の領域においても、直接的ではなく介護職が適切な仕事をできるよう、医療・医薬品にかかわる部分については、医師と協力しながら支援していくことが社会貢献になるとの認識を示した。

さらに「地域の人たちが使っている薬を一元管理することが重要」としながらも「なかなかこの機能は持てていない」との反省を示した上で、「少し調剤偏重になってしまった薬剤師の視点を、幅広に持たせる必要がある」と述べ、入念な研修や準備が前提としながら「25年には地域連携の一環として薬局が検査所として機能しているのではないか。医療全体を考えたときに求められる機能、役割」と指摘。

その社会貢献の仕組みづくりに努めると共に、「自分たちの仕事を十分理解してもらえるよう、物の見せ方が必要なのかなと思っている」とし、関係者のより一層の理解を求めることが今後の薬剤師・薬局の社会貢献に不可欠であるとも強調した。

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