■私立薬大協が14年度調査公表
今年度の薬科大学(薬学部)の入学者数は1万3505人(北大、東大除く)と定員の1万2698人をオーバーし、一昨年以降“定員割れ”を免れている。個別の“定員割れ”も11校にとどまっていることなどは既報(5月14日号)の通り。その背景に志願者数が大幅に増加していることが、同調査によって明らかになった。調査は私立薬大協加盟の57校(徳島文理大香川含む)を対象に行った。
今年度の定員は1万1389人と昨年度の1万1424人より若干減少し、数年来の減少傾向に歯止めがかかっていない。また、募集数は「一般」が7147人、「推薦」が4178人と昨年度に比べ若干だが「一般」の方が募集数が増加した。合わせて1万1326人(プラス若干名)で、昨年度の1万1345人より減少した。
志願者数は一般10万4674人(昨年度8万9886人)、推薦1万6757人(同1万3658人)と合計では昨年度の10万3584人を上回った。昨年度の20%増には及ばないものの、17%増と大幅な増加が続いた。
この結果、志願段階の募集数に対する入試倍率は、全体では10・7倍に達した。このうち6年制の一般は14・6倍(同12・6倍)、推薦4・1倍(同3・3倍)、4年制については一般・推薦合わせて11・5倍(同9・6倍)に達し、いずれも昨年度の実績を上回った。
入学志願者数は全体として大幅に増加したものの、昨年度と同様に大学間での志願者数や倍率にはバラツキが見られる。平均倍率を超えているのは19校となった。ただし、平均倍率以下を含めても二桁以上の倍率を達成したのは23校で、昨年度の21校を上回った。なお、このような“上位校”は昨年度とほぼ同じ顔ぶれだった。
逆に平均倍率を大きく下回り、かつ3倍に満たなかったのは5校(同9校)に減少、2倍を下回ったのも昨年度の3校から2校へと改善された。
最も倍率が高かったのは、常連の近畿大で38・5倍(同34・5倍)、次いで武蔵野大がさらに躍進し32・5倍(同26・4倍)と30倍台に達した。以下、摂南大26・2倍(同14・6倍)、立命館大21・9倍(同24・3倍)、
東京理科大21・8倍(同20・3倍)、神戸学院大21・2倍(同13・4倍)と続く。
そのほか10倍以上の大学は、帝京大19・4倍(同16・1倍)、帝京平成大17・2倍(同12・0倍)、星薬科大16・6倍(同15・6倍)、福岡大15・2倍(同15・5倍)、慶應大15・1倍(同14・0倍)などで、摂南大、神戸学院大、帝京平成大などが倍率を伸ばしている。
なお、4年制では近畿大学が33・0倍(同25・6倍)と昨年度に比べても大きく倍率を伸ばしている。次いで慶應大21・6倍(同13・5倍)、明治薬科大15・8倍(同13・1倍)などが高い人気を集めているようだ。