「パリエット」の後継品を目指す新規化合物
エーザイ株式会社とゼリア新薬工業株式会社は8月18日、新規プロトンポンプ阻害剤(PPI)「E3710」に関し、ライセンス契約を締結したと発表した。
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E3710は、PPI「パリエット(R)」の後継品とするためにエーザイが創出した新規化合物。エーザイによる臨床第1相試験が実施済みだ。既存のPPIに比べ、作用が強力かつ長時間持続することが示唆されており、高い酸分泌抑制効果を発揮して、治療期間の短縮や、これまでのPPIでは効果不十分の患者にも対応可能なベスト・イン・クラスのPPIとなることが期待されている。
消化器領域を最重点領域とするゼリア新薬のパイプラインを充実化
今回締結されたライセンス契約に基づき、エーザイはゼリア新薬に対し、E3710の日本国内における独占的開発権、共同販促権、及び非独占的製造権を付与する。また、ゼリア新薬から契約一時金とロイヤリティを受け取り、製造販売承認取得時にエーザイが一定の対価をゼリア新薬に支払うこととなっている。
今後の開発はゼリア新薬が担当し、製造販売承認取得も同社が行うが、承認取得後は、両社で共同販促を行っていくという。この契約締結により、消化器領域を最重点領域とするゼリア新薬は、同パイプラインを充実させることができ、エーザイは新規化合物の価値最大化を図ることができるとしている。
承認取得後は、PPI「パリエット」や防御因子増強剤「セルベックス(R)」などを有するエーザイと、潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール(R)」や世界初の機能性ディスペプシア治療剤である「アコファイド(R)」などを持つゼリア新薬が、ともに実績のある消化器領域で共同販促を実施することにより、酸関連疾患市場における速やかな浸透を目指すとしている。(紫音 裕)
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・ゼリア新薬工業株式会社 ニュースリリース