チロシンキナーゼインヒビターのイマチニブ錠「ヤクルト」で100mgに続く新規格
株式会社ヤクルト本社は8月15日、同社の抗悪性腫瘍剤、チロシンキナーゼインヒビターである「イマチニブ錠200mg「ヤクルト」」(一般名:イマチニブメシル酸塩)について、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病を効能・効果とする製造販売承認を取得したことを発表した。
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同剤は、すでに昨年12月より販売している「イマチニブ錠100mg『ヤクルト』」の新規格となる。製造販売元は高田製薬株式会社。現在、発売に向けて鋭意準備を進めており、薬価基準収載後の今年12月にもすみやかに発売する予定だという。
慢性骨髄性白血病ほかの効能・効果では未承認
「イマチニブ錠」は、細胞の増殖に関与するチロシンキナーゼ(BCR-ABL)の異常な働きを阻害することによって、がん細胞の増殖を抑えるタイプの薬剤。染色体検査又は遺伝子検査によりフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病と診断された患者にのみ使用することとされている。
慢性骨髄性白血病やKIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍、FIP1L1-PDGFRα陽性の好酸球増多症候群又は慢性好酸球性白血病の効能・効果における承認は取得されていない。
投与により体液貯留があらわれることがあるため、体重の定期的測定など観察を十分に行うことや、重篤な肝機能障害がみられるケースもあることから、投与開始前と投与後は1か月ごと、あるいは患者の状態に応じ、肝機能検査を行って異常が認められた場合には、減量又は休薬することとされている。
このほか白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血があらわれることもあるので、定期的な血液検査の実施も求められている。包装はPTP包装20錠と、PTP包装60錠の2種が予定されている。(紫音 裕)
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・株式会社ヤクルト本社 発表資料