甲状腺がんの薬剤として優れた資質
エーザイ株式会社は8月18日、米国と欧州のそれぞれの当局に対し、抗がん剤「レンバチニブメシル酸塩」について、進行性、放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺がんの適応で承認申請を行ったと発表した。
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レンバチニブは、エーザイが創薬した新規結合型選択的チロシンキナーゼ阻害剤。血管新生や腫瘍増殖に関わる受容体チロシンキナーゼ(RTK)に対して、選択的阻害活性を有する。特にVEGF受容体に加えてFGF受容体のRTK活性を同時に阻害し、甲状腺がんの薬剤として優れた資質を持つと期待される。
日本においては甲状腺がんの適応で、2013年6月26日に承認申請を行っている。また、日本、米国、欧州の各当局より甲状腺がんに関わる希少疾病用医薬品の指定を受けており、欧州当局からは迅速審査の指定も受領しているという。
臨床第3相試験で主要評価項目を達成
臨床第3相試験は、放射性ヨウ素治療抵抗性の分化型甲状腺がんの患者392人を対象に、多施設共同、無作為、二重盲検によるプラセボとの比較が行われた。
その結果、レンバニチブ投与群はプラセボ投与群に対し、主要評価項目である無増悪生存期間を統計学的に有意に延長したという。(小林 周)
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・エーザイ株式会社 プレスリリース