世界90か国で承認・販売される配合点眼液
参天製薬株式会社は8月15日、緑内障・高眼圧症治療剤「コソプトミニ配合点眼液(一般名:ドルゾラミド塩酸塩/チモロールマレイン酸塩)」について、厚生労働省に対し、同日付で日本国内における製造販売承認申請を行ったと発表した。
画像はwikiメディアより引用
同剤は、防腐剤を含有しない水性点眼液。炭酸脱水素酵素阻害剤(CAI)「トルソプト点眼液1%(一般名:ドルゾラミド塩酸塩)」と、β遮断剤「チモプトール点眼液0.5%(一般名:チモロールマレイン酸塩)」を含有する「コソプト配合点眼液」である。
Merck&Co., Whitehouse Station, N. J., U.S.A. (米メルク社)が開発した薬剤で、1998年にメキシコで承認されて以降、現在までに米国を含む90か国で承認・販売されている。同剤は現在、緑内障・高眼圧症治療のための配合点眼液として、世界で最も多く使用されている薬剤とされている。
防腐剤に過敏症を示す患者や重度の角結膜上皮障害を有する患者に
日本国内において、「コソプト配合点眼液」は、米メルク社のデータをもとに、1%ドルゾラミド塩酸塩と0.5%チモロールマレイン酸塩による配合剤として臨床試験を実施し、2010年4月、米メルク社の日本法人であるMSD株式会社が製造販売承認を取得した。
その後、同年6月より参天製薬が販売を担当し、情報提供活動は両社が共同で行うという体制をとってきたが、今年8月に米メルク社から参天製薬に製造販売承認が承継され、販売・情報提供活動ともに参天製薬が行うものとなったという。
緑内障の視神経障害及び視野障害は、基本的に進行性で非可逆的であることから、眼圧の下降及びその長期にわたるコントロールが治療方法の基本となる。治療が長期にわたるため、防腐剤のベンザルコニウム塩化物(BAK)等に過敏症を示す患者や、重度の角結膜上皮障害を有する患者においては、これら防腐剤を全く含有しない製剤が求められている。
同剤はこうしたニーズに応える、防腐剤を含有しない点眼液。参天製薬では、同材の製造販売承認を取得することで、より多様な治療の選択肢を医療の現場に提供することが可能となり、ひいては患者のQOL向上に寄与できるものと期待するとしている。(紫音 裕)
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・参天製薬株式会社 プレスリリース