ビタミンDが足りないと、どんな病気になるかご存じですか?代表的なものには骨の変形や成長不全を起こす病気である「くる病」があります。この他、皮膚や筋肉の健康にも影響が及ぶと考えられています。
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ビタミンDは、魚介類、卵類、きのこ類などの食べ物から摂る以外に、日光に当たることでも体の中で作り出されています。これらの食べ物が手に入りにくかった時代、くる病などビタミンD不足が関係する病気は数多くありました。
しかし、このところ紫外線の害を気にするあまり日光を避ける人が多く、ビタミンD不足に陥る人は、依然として多くみられているのです。実際に、全世界では計10億人がビタミンD不足の状態にあるとされています。
そして、このビタミンD不足は、体だけでなく心の病にも関係しているという研究結果が、イランにあるイスファハン医科大学の研究チームによって発表されました。
この研究では、統合失調症とビタミンDの関係性について調べられた19の研究を再解析。そして、対象となったのべ2,804人について、ビタミンDの摂取と心の健康との間の関係の有無を調べました。すると、ビタミンDが不足している人は、そうでない人に比べ、統合失調症にかかるリスクが2倍以上高いことが分かったのです。
続いて、分析対象となった2,804人のデータから、統合失調症の診断を受けている人の血中のビタミンDレベルを調べてみると、65%の人がビタミンD欠乏症状態であることが分かりました。
これまで、皮膚、筋肉、骨といった、身体的な要素の健康を司るとされていたビタミンDですが、実は心の健康にも関係することが分かりました。健康的な食生活を心がけると同時に、外に出て日光の恩恵を受ける時間も大切にしながら、心と体の健康管理を続けていきたいものですね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
・Vitamin D Deficiency Raises Risk of Schizophrenia Diagnosis
・Serum Vitamin D Levels in Relation to Schizophrenia: A Systematic Review and Meta-Analysis of Observational Studies