主要評価項目の無増悪生存期間延長、達成ならず
独バイエル ヘルスケア社と米アムジェン社の子会社であるオニキス・ファーマシューティカル社は7月25日、進行性乳がん患者を対象とした「ソラフェニブ(販売名:ネクサバール(R)錠)」とカペシタビンとの併用療法について検証する第3相臨床試験で、主要評価項目としていた無増悪生存期間(PFS)の延長が達成されなかったことを明らかにした。
この第3相臨床試験は、RESILIENCE試験として、無作為化二重盲検プラセボ対照でデザインされた。米国、欧州、日本、オーストラリアを含む20か国以上で537人を登録。タキサン系薬剤およびアントラサイクリン系薬剤の前治療に抵抗性または無効となった、あるいはアントラサイクリン系薬剤不適応のHER2陰性局所進行性または転移性の乳がん患者を対象とし、経口化学療法剤であるカペシタビン併用下でのソラフェニブの有効性・安全性の評価を行った。
主要評価項目はPFS、副次評価項目は全生存期間(OS)、無増悪期間、奏効率、病勢制御率、奏効期間、自己評価によるQOL、安全性などとなっていた。患者は、21日を1サイクルとし、カペシタビン1,000mg/平方メートルを1日2回14日間経口投与、併せてソラフェニブを1日600mgまたはプラセボのいずれかを連日経口投与する群に無作為に割り付けられている。
現時点での有害事象は既知のものと概ね同様、詳細解析結果は今後発表予定
発表によると、現時点での解析結果では、この試験において認められた有害事象の種類は、ソラフェニブまたはカペシタビンのいずれかの既知有害事象と概ね同様だったという。バイエル ヘルスケア社は、この試験の有効性および安全性に関する詳細な解析結果を、今後開催される医学学会において発表する予定としている。
また、同社グローバル開発責任者であるヨルグ・メラー氏はニュースリリースで、
と述べている。(紫音 裕)
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・バイエル薬品株式会社 ニュースリリース