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シミック プレスセミナーに中村代表取締役CEOらが登壇「従来、我々が考えたこともなかったようなことが起こっている」

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2014年08月08日 PM05:00

配合剤、2重特異性抗体のベストな組み合わせを

シミックホールディングス株式会社は7月29日、同社本社にてプレスセミナー「世界における抗体医薬品の開発動向とシミックの戦略」を開催。同社の中村和男代表取締役CEOとシミック株式会社の鈴木伸宏執行役員が講演した。

まず、「今後の医薬品研究開発と次世代抗体」と題し講演した鈴木執行役員は「製薬会社の研究者は、新規ターゲットを見つけることに注力しているが、既存薬に打ち勝つようなターゲットは少なくなっている」と語り、これまでのブロックバスターモデルが終焉を迎えつつあるとした。


シミック株式会社
鈴木伸宏執行役員

そして今後の医薬品開発の可能性について、「既存薬に新規ターゲットを足すような、配合剤のような考え方がこれからは生きていく。シミックとしては、既存薬と開発途上品、開発ドロップ品という組み合わせでやっていけるのではないかと考えている。もちろん、2剤の配合となるので製造コストを抑えることが重要になるが、シミックは3つの製造工場を持っており、これを活用してコストを抑えることができるのではないか」(鈴木執行役員)との考えを示した。

また、同社が今後注力していく領域として、「多重特異性抗体」をあげた。日本国内においては、多重特異性抗体を開発する体制は未整備な状態と言える。そこで同社は、JSR株式会社との間で合弁会社「シミックJSRバイオロジックス株式会社」を設立。東北大学や東京大学のシーズを用いて、抗体の設計や製造プロセスの確立を進めるという。また、JSTの産学共同実用化開発事業に採択され、治験薬レベルの製造が可能な体制を整えるとした。

多重特異性抗体は、親和性や作用持続などの薬効面、品質やコストなど製造面での課題が多いが、鈴木執行役員は「数年後には、多重特異性抗体で治験薬の提案ができる体制を構築する。シミックは開発、製造、販売部門を持っているので、ユニークな提案ができるのではないか。2重特性抗体、また、配合剤でのベストな組み合わせを考えていく」と今後の抱負を語った。

創薬を取り巻く環境の変化、シミックグループで対応を


シミックホールディングス株式会社
中村和男代表取締役CEO

続いて「世界における医薬品開発の潮流とシミックの位置づけ」と題して講演した中村代表取締役CEOは、「アメリカでは、薬の新規有効成分の3分の1はアカデミア、また3分の1はバイオテック、残りの3分の1が大手製薬会社から出てきており、ビジネスモデルが大きく変化している。製薬会社が必ずしも創薬を独自に行っているわけではなく、むしろ外部とのアライアンス・共同研究を積極的に行っている」と語り、創薬を取り巻く環境の変化を指摘。CRO、CMO、CSOなどを持つシミックグループは「様々な形で製薬会社の価値最大化に貢献できる」(中村代表取締役CEO)とした。

シミックグループは現在、医薬品の受託機関として、グローバルの中で10位に位置するという。中村代表取締役CEOは「5、6位にまで行けるような成長戦略を持っている」と語り、今後の成長に自信を見せた。その一環として、生産開発力の強化のため、静岡に製剤開発センターを設立したほか、富山では新研究棟を建設、静岡で次世代抗体医薬品の製造プロセス開発施設を建設中など、「将来のために、製造の方に力を入れている」(中村代表取締役CEO)

一方で「受託製造はグローバルということを考えている。現在、韓国、アメリカには進出済みだが、ヨーロッパにおいても、エシカという会社と連携し、ヨーロッパ・アジア・アメリカでの連携をさらに強めていきたい」とした。

最後に中村代表取締役CEOは、「アメリカでは、年間特許収入が100億円を超えるアカデミアが10を超えている。そのアカデミアと患者団体が自分たちで薬を開発し、それを製薬会社に売るようなモデルも出てきている。アメリカでシリコンバレーが発達し、そこでアップルやグーグルが起こったように、製薬業界では、マンハッタンにあり、大手製薬メーカーらが多数入居する「Alexandria Center for Life Science」を中心として、従来我々が考えたこともなかったようなことが起こっている。こうしたモデルの変化に対応して、日本から面白い薬が開発できないか、微力ながら大きなチャレンジをしていきたい」とした。(

▼外部リンク
シミックホールディングス株式会社 ホームページ

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