医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 健康小町 > 糖尿病治療に画期的なタンパク質?

糖尿病治療に画期的なタンパク質?

読了時間:約 1分3秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2014年08月07日 PM12:00

タンパク質の注射で血糖コントロール

日本を含め、世界中の国で多くの人が抱える健康問題、2型糖尿病。この糖尿病に関する画期的な調査結果が発表されました。アメリカ・ソーク研究所が発表し、専門誌「Nature」に掲載された論文によると、特定のタンパク質を2型糖尿病のマウスに注射すると、2日間以上正常な血糖値を維持することができたそうです。


この画像はイメージです

副作用もなく、インスリン抵抗性も改善

このタンパク質、FGF1が画期的とされるのは、血糖値そのもののコントロールだけが理由ではありません。インスリン抵抗性を改善することも、注目を集めている理由の1つです。

調査チームでは、FGF1を糖尿病で肥満のマウスに注射し、このタンパク質が代謝にどのように影響するかを観察しました。これまで、FGF1を健康なマウスに注射する実験は行われていましたが、なんの変化も見られませんでした。ところが、糖尿病のマウスに対しては、確かな効果が見られたのです。さらに一度の注射で血糖値が正常範囲内に低下したことは、研究チームの面々を驚かせました。

また、これまでの糖尿病治療薬では、体重の増加や肝機能低下などの副作用が見られるものもありましたが、FGF1ではそのような副作用が見られませんでした。FGF1の研究は始まったばかりですが、副作用のない糖尿病治療として、臨床で役立てられる日が待ち望まれています。(唐土 ミツル)

▼外部リンク
One injection stops diabetes in its tracks
Endocrinization of FGF1 produces a neomorphic and potent insulin sensitizer

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 健康小町

  • 転倒注意!結石は骨折につながる
  • カカオフラバノールで若々しい脳を
  • 画面を見る目の動きで眼科診断
  • お茶や柑橘類をしっかり摂ろう 卵巣がんの予防に
  • 睡眠中の体験で禁煙できるかも