全生存期間の事前設定基準を達成できず
大鵬薬品工業株式会社は7月31日、血管新生阻害剤「TSU-68(一般名:orantinib)」について、肝細胞がんを対象に行ってきた第3相国際共同臨床試験(試験名:ORIENTAL)を中止することを発表した。
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独立データモニタリング委員会が行った中間解析の結果、主要評価項目である全生存期間において、事前に設定した基準を達成しなかったという。このため委員会は中止を勧告。大鵬薬品は、この勧告を受けて中止を決定し、各実施医療機関への通知、各国規制当局への報告を行ったとしている。
詳細結果は学術集会で発表予定
今回中止が決定された第3相国際共同臨床試験は、肝動脈化学塞栓療法(TACE)を行う肝細胞がん患者の、TSU-68併用における全生存期間の優越性検証を目的として実施されたもの。
プラセボ併用群を対象にした無作為二重盲検比較試験で、日本、韓国、台湾の3か国・地域で、2010年12月から2013年1月までに889例が登録され、2016年11月まで追跡を行う予定とされていた。詳細な試験結果は、今後しかるべき学術集会で発表するとしている。(小林 周)
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・大鵬薬品工業株式会社 プレスリリース