開発中の遺伝子組換えヒトAT製剤「KW-3357」
一般社団法人 日本血液製剤機構(以下、JB)と協和発酵キリン株式会社は7月30日、協和発酵キリンが日本において開発中の遺伝子組換えヒトアンチトロンビン製剤(開発コード:KW-3357)の国内販売について、同日付で委受託契約を締結したと発表した。
この画像はイメージです
KW-3357は、組換えDNA技術および糖鎖制御技術を用いて作製された、ヒト天然型アンチトロンビン(AT)と同一のアミノ酸配列かつ同じタイプの糖鎖構造を持つ遺伝子組換えAT製剤。ATは血液凝固に関わるタンパク分解酵素と複合体を形成することで、凝固作用を阻害することが知られている。そのため、先天性AT3欠乏(CAD)に基づく血栓形成傾向およびAT3低下を伴う汎発性血管内凝固症候群(DIC)に対する治療薬として、開発が進められている。
遺伝子組換えAT製剤であるため、ヒト血液に由来する感染症リスクを回避することができるメリットがある。協和発酵キリンでは、現在日本国内における製造販売承認の申請を準備しているという。
承認申請・製品供給を協和発酵キリンが、販売等をJBが担当
今回締結された委受託契約に基づき、JBは協和発酵キリンに対し、契約一時金を支払うほか、製造販売承認取得時にマイルストンとして一時金の支払いを行う。
厚生労働省に対する製造販売承認申請と承認取得後の同剤の供給は協和発酵キリンが、販売およびMRを通じた医療機関への情報提供活動はJBが、それぞれ担当することとなる。(紫音 裕)
▼外部リンク
・一般社団法人 日本血液製剤機構 ニュースリリース