■病院は薬剤師が中心的役割
厚生労働省医政局経済課は、2013年度のGE薬使用促進の取組事例等に関する調査報告書をまとめた。医療機関では、薬剤師が中心的役割を果たし、その取り組みの推進がファーマシューティカルケアの実践につながることを意識する必要性を指摘。薬局では多くの在庫を確保するため、地域薬局が連携しながら、GE薬をすぐに供給できる体制構築が求められるとした。
同調査は、GE薬の使用促進に取り組んでいる先進的な医療機関、薬局等を対象に、各施設における施策内容、効果に関して実施。有効と考えられる取り組みについて、各都道府県における使用促進に役立てることを目指したもの。
その結果、医療機関の最大の推進要因として、上層部の理解と実働部隊の中心的存在となる薬剤部の取り組み姿勢が重要と位置づけた。医療機関において薬剤師が各種情報を収集し、病院全体へと提供していくことが職能発揮として重要な部分と指摘。薬剤師自らがGE薬の使用促進の中心的役割を果たし、その取り組みの推進がファーマシューティカルケアの実践につながることを意識していく必要があるとした。
地域中核医療機関に対しては、一定の審査を経てGE薬が採用されているとして、地域医師会、薬剤師会と情報交換を行いながら、採用しているGE薬について積極的に情報発信することが地域のGE薬使用促進につながると旗振り役を促した。
一方、薬局の推進要因としては、薬剤師が説明してくれたことにより、GE薬の使用につながるケースが多いと指摘。「患者が来局してGE薬を希望した場合、GE薬を提供できるよう相応の在庫数を確保することは薬局にとって相当な負担になる」としながらも、「GE薬の調剤を希望するにもかかわらず、取り扱っていなかったり、在庫切れとなっている場合、せっかくのGE薬への切り替え意欲も薄れてしまう」と懸念を示した。
その上で、薬局内に予めGE薬を在庫しておくか、在庫切れが生じた場合に他店舗や医薬品卸から迅速に取り寄せ、患者に確実に提供することが必要と強調。GE薬の他店舗との融通は、法人規模の小さい薬局で課題を抱えていたとし、地域薬局が連携しながら必要に応じてGE薬をすぐに提供できる体制構築が求められると提言した。