厚生労働省 難治性疾患克服研究事業による2つの研究班と
独立行政法人理化学研究所は7月28日、後縦靭帯骨化症(OPLL)の発症に関わる6つのゲノム領域を発見したことを発表した。
画像はプレスリリースより
この研究成果は、理研統合生命医科学研究センター骨関節疾患研究チームの池川志郎チームリーダー、中島正宏特別研究員、統計解析研究チームの高橋篤チームリーダーらと、厚生労働省難治性疾患克服研究事業の「脊柱靭帯骨化症に関する調査研究班」、「後縦靭帯骨化症の病態解明・治療法開発に関する研究班」との共同研究チームによるもので、英科学雑誌「Nature Genetics」オンライン版に同日付で掲載された。
5つの感受性遺伝子も同定
共同研究チームは、OPLLの遺伝要因を明らかにすることを目的に、全ゲノム解析を実施。日本人のOPLL患者・非患者7,922人について約60万個の一塩基多型を調べ、OPLL発症に相関するものを検索した。
また、別の日本人のOPLL患者・非患者7,017人について追試を実施し、得られた結果の再現性を確認したところ、OPLL発症と強く相関する6つのゲノム領域を発見したという。
さらに中島特別研究員らは、発見した領域に含まれる遺伝子の発現解析を実施し、骨化にともなって、発現が変化する5つの感受性遺伝子を同定したとしている。
プレスリリースでは、
今回の発見は、遺伝要因をターゲットにしたOPLLの治療法の開発や、これらの遺伝情報を用いた個人の病態を予測する方法の開発などにもつながると期待できます。(独立行政法人理化学研究所 プレスリリースより引用)
と述べられている。(小林 周)
▼外部リンク
・独立行政法人理化学研究所 プレスリリース