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厚労省、セルフMの薬局公表制度導入-新たな基準を作成へ

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2014年08月01日 AM10:48

厚生労働省は、来年秋ごろをメドにセルフメディケーションの推進に向け、充実した相談体制や設備などを整えている薬局を地域住民に公表する取り組みをスタートさせる。今後、厚生労働科学研究班がまとめた「薬局の求められる機能とあるべき姿」や、健康情報拠点推進事業の優良事例などをベースに基準となる要件を作成。2007年から勤務する薬剤師の数や、業務内容などの情報をホームページ上で公表している「薬局機能情報提供制度」の仕組みを活用し、基準を満たした薬局を公表していく。厚労省は「かかりつけ薬局を選ぶ際の目安になれば」としている。

厚労省は、13年度から「薬局・薬剤師を活用した健康情報拠点推進事業」で、在宅医療を含めたセルフメディケーションを推進するモデル事業に取り組んでいるが、こうしたモデル事業は、予算が付かなくなった時点で終了となり、後に続かないこともある。

新たな事業は、「セルフメディケーションにしっかり取り組んでいる薬局の基準を作り、認定制度のような形にすればセルフメディケーションに積極的に取り組んでいる薬局とそうでない薬局が明らかになり、取り組むインセンティブになる」と説明。たとえ将来的にモデル事業がなくなったとしても、「ある程度は事業の継続につながるのでは」とした。

その上で“セルフメディケーション薬局”のお墨付きを与えられた薬局を地域の住民に知ってもらうようにするため、「薬局機能情報提供制度を活用しようと考えている」としている。

現行の情報提供制度では、認定薬剤師の種類や人数、業務・相談内容などの情報が掲載されているが、「“セルフメディケーションを推進している薬局”という項目が一つ増えるイメージ」(厚労省)だという。

基準作りは、今年度のモデル事業が終わり次第、着手する。薬局のあるべき姿や、これまでのモデル事業を通して優良事例や良かった事例などを参考にし、早ければ来年の夏ごろに公表したい考えだ。

各薬局は、新基準の要件を満たしていることを示す書類を都道府県に提出し、認められれば、情報公開制度を通して地域住民に公表されることになる。

薬局のあるべき姿では、健康相談窓口の設置をはじめ、第1類を含む一般用医薬品や医療・衛生材料の販売、備蓄のない薬品に対応するための近隣薬局との連携強化などを求めているが、あまり要件を厳しくすると、基準を満たす薬局数が少なくなってしまうため、厚労省は「セルフメディケーション推進の観点から、どれをとるべきなのかを詰めていく必要がある」とした。

新たな薬局機能の公表制度は、16年度までの3年間の詳細な施策実施スケジュールを整理した「日本再興戦略」の工程表にも盛り込まれている。

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