主要評価項目の全生存期間で優越性認められず
大鵬薬品工業株式会社は7月25日、抗悪性腫瘍剤「S-1(製品名:ティーエスワン(R))」について、sorafenib療法が無効になった、あるいは副作用によりsorafenib療法が継続できなくなった進行肝細胞がん患者を対象とした第3相臨床試験S-CUBEにおいて、主要評価項目が達成されなかったことを発表した。
画像はwikiメディアより引用
同試験は、日本国内において肝細胞がんへの適応拡大を目的に実施されたが、主要評価項目であった全生存期間の優越性は認められなかったという。
詳細結果は今後、学術集会で発表予定
ティーエスワンは、化合物であるテガフール、ギメラシル、オテラシルを配合した、フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤。テガフールは抗がん剤フルオロウラシルに変換される代謝拮抗物質で、ギメラシルは体内でフルオロウラシルの分解を阻害し、オテラシルは消化管でフルオロウラシルのリン酸化を阻害する働きをする。
S-CUBE試験は、sorafenib療法が無効になった、または副作用によりsorafenib療法が継続できなくなった進行肝細胞がん患者を対象に、プラセボ対照・無作為化・二重盲検比較で実施された。プラセボ投与群との比較によりS-1投与群の全生存期間の優越性を検証することを主目的として行われたが、統計学的に有意な延長が認められなかったという。
なお、この結果は、既承認の効能・効果に影響するものではなく、詳細結果は、今後しかるべき学術集会で発表予定としている。(小林 周)
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・大鵬薬品工業株式会社 プレスリリース