NVAF患者を対象としたエリキュースの有効性と安全性を評価
米ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(BMS社)と米ファイザー社は、米国時間の7月17日、除細動を受ける非弁膜症性心房細動(NVAF)患者を対象とした「エリキュース(R)(一般名:アピキサバン)」の有効性と安全性を評価する第4相EMANATE臨床試験において、最初の患者を登録したと発表した。
画像はwikiメディアより引用
エリキュースは現在、NVAF患者における虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制を適応として承認されている。これは日本国内においても同様だ。
除細動は心房細動を正常洞調律に戻し、心臓のポンプ機能を改善するために行われる一般的な治療法だが、従来、除細動の実施前の最低3週間、および実施後の4週間にわたり、抗凝固剤が投与されてきた。一部の患者では、NVAFが新たに発症した場合、通常画像診断を行い、心臓に既に血栓が形成されていないか確認し、その当日もしくは数日以内に除細動を行うことが可能だ。しかし心臓に血栓があると、除細動の処置時に血栓が移動し、脳卒中にいたる危険がある。
約1,500人を登録し、有効性と安全性を検証
EMANATE試験では、米国、カナダ、ヨーロッパ、アジアから約1,500人が登録される見込みという。患者らは、エリキュース群または標準療法群にランダムに割り付けられ、除細動実施後の30日間、またはこのスケジュールで除細動が実施されない場合は、ランダム化後の90日間、エリキュース、あるいは標準療法の治療を受ける。
有効性を検証する主要評価項目は、急性脳卒中、全身性塞栓症、および全死亡。安全性主要評価項目は、大出血および臨床的意義のある非大出血とされている。
BMS社とファイザー社は、この第4相試験により、除細動を受けるNVAF患者へのエリキュース使用に関して重要なデータが得られる見込みとするほか、NVAF患者への理解とその健康改善を目指す両社の長期的取り組みが強化されるとの見解を示している。(紫音 裕)
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・ブリストル・マイヤーズ株式会社 ニュースリリース