加齢黄斑変性は、目の病気の一つ。加齢により網膜の中心、黄斑に障害が生じるために、視野の中止部に歪みが生じたり、視力が低下したりする病気です。
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この加齢黄斑変性は、欧米では成人の失明原因の第1位とも言われており、日本でも失明原因の第4位です。最近では増加傾向にあると言われています。有病率は50歳以上の人の約1%、その名の通り、高齢になるほど増えていきます。
加齢黄斑変性には、萎縮型と滲出型の二つのタイプがありますが、このうち滲出型では、脈絡膜新生血管が作られることが問題となります。この血管は非常にもろいため、簡単に破れしまいます。そこから出血があったり、血液中の成分がしみ出したりすることで、黄斑部に障害が起こるのです。
今回、DHA、EPAといったオメガ3不飽和脂肪酸を摂ると、脈絡膜新生血管の産生が抑制されるという研究結果が、Massachusetts Eye and Ear Infirmaryら研究チームによって発表されました。
研究チームはマウスを使った実験を行い、オメガ3不飽和脂肪酸、またはオメガ6不飽和脂肪酸を与え、新しい脈絡膜新生血管の産生について観察しました。するとオメガ3不飽和脂肪酸を与えたグループでは、脈絡膜新生血管の産生が抑えられていることが確認されたのです。
オメガ3不飽和脂肪酸は、鯖・鮪・鰯・さんまなどの青魚に豊富に含まれています。日常の食生活に積極的に取り入れて、目の健康維持を心がけましょう。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
・Cytochrome P450-generated metabolites derived from ω-3 fatty acids attenuate neovascularization
・Omega-3 Inhibits Blood Vessel Growth in a Model of Age-Related Macular Degeneration in Vivo