日本、韓国、台湾で共同開発・商業化を実施
小野薬品工業株式会社とブリストル・マイヤーズ スクイブ社(BMS社)は7月24日、がん患者の医療ニーズを満たすと有望視される複数の免疫療法薬に関し、日本・韓国・台湾において、単剤および併用療法としての共同開発・商業化を行うため、戦略的提携契約を締結したと発表した。
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今回の契約に基づき、今後両社は共同で、様々ながん種を対象に、「オプジーボ(R)(一般名:ニボルマブ)」および「ipilimumab(海外での製品名:「Yervoy(R)」)」の開発と商業化を進める方針。また、このほかBMS社の開発早期段階にある3つの腫瘍免疫関連化合物である「lirilumab」、「urelumab」および「BMS-986016」についても、単剤および併用療法での開発・商業化を行っていくとする。
グローバル臨床試験に3国の患者も組み込み
オプジーボは、根治切除不能な悪性黒色腫の治療薬として、世界に先駆けて日本で製造販売承認を取得したPD-1免疫チェックポイント阻害剤。現在、様々ながん種を対象とした、35以上のグローバル臨床試験が進行している。
ipilimumabは、細胞傷害性T細胞関連抗原4(CTLA-4)を阻害するヒトモノクローナル抗体。台湾では前治療歴のある進行性悪性黒色腫の治療薬として承認を得ており、日本では悪性黒色腫・小細胞肺がん・非小細胞肺がんを対象に開発を行っている。発表によると、すでに開発後期段階にあるという。
BMS社の開発早期段階にある3種は、それぞれlirilumabがナチュラルキラー細胞に発現するKIR受容体を阻害する抗体で、urelumabがCD137共刺激受容体作動薬、BMS-986016がLAG3免疫チェックポイント阻害剤である。
なお今回の提携をもとに、日本・韓国・台湾の患者もグローバル臨床試験に組み込み、効率的に開発を進めていくという。小野薬品とBMS社は、すべての提携化合物について、これら3国で共同開発および商業化を進めていく。
これに伴う開発費と利益については、オプジーボがBMS社の化合物(ipilimumab、lirilumab、urelumab、BMS-986016)と併用される場合、両社の折半になり、オプジーボが単剤で用いられる場合は、小野薬品が開発費の大部分を負担し、利益の大部分を得る。一方、BMS社の化合物が単剤で使用される、あるいはBMS社の化合物同士が併用される場合には、BMS社が開発費の大部分を負担し、利益の大部分を得るものとしている。(紫音 裕)
▼外部リンク
・小野薬品工業株式会社 プレスリリース