たくさん飲む人だけじゃない、飲酒の影響
アルコールが健康に及ぼす影響については、長きにわたって色々と論じられています。とはいえ、私たちが一般に抱いている印象は、お酒は適量に抑えるのが良く、目立って健康に悪影響があるのは、いわゆる「大酒飲み」の人たち…といったところかと思います。
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ところが、のべ26万人の酒癖や心血管の健康状態に関する情報を調べたところ、日頃さほどお酒をたくさん飲んでいない人たちでも、お酒を減らすことで、心血管系の病気のリスクが下がるという報告が、アメリカ・ペンシルバニア大学の調査チームによって発表されました。
飲酒量が17%少ないと、病気のリスクが10%減
これは、過去に行われた50件以上の研究データを再分析したものです。研究から、1週間の飲酒量が17%少ない人では、心血管系の病気のリスクが10%低いことがわかりました。
しかもこのデータは、多量のお酒を飲んでいる人に限られず、少量から中量の飲酒といわれる程度の人でも同じ結果が見られたのです。
近年の研究では、適度にお酒を飲むことは心血管疾患の予防につながるという報告もありました。しかし、今回の発表によって、その根拠が揺らいだことになります。「酒は百薬の長」という言葉もあり、適量なら大丈夫、と安心していましたが、やはりあまり健康に良い影響だけがあるわけではないようですね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
・Association between alcohol and cardiovascular disease
・New Study Shows Drinking Alcohol, Even Light-to-Moderate Amounts, Provides No Heart Health Benefit