文部科学省は28日、科学的根拠に基づいた医療が提供できる人材の養成を支援する「課題解決型高度医療人材養成プログラム」の選定事業を決定したと発表した。指導力を有し、地域医療で活躍できる薬剤師の養成では、大阪大学、昭和大学が申請した2件の取り組みが選ばれた。今年度から最大5年以内の期間に年2500万円程度の補助金が交付される。
同事業は、文科省の2014年度予算で新規事業として10億円を計上。医療現場の諸課題に対応するための高度医療を支える人材の養成や大学病院の機能強化を目的に、大学自らが体系立てた特色ある教育プログラム・コースを構築し、これからの時代に対応した特色ある医療人材の養成に対する取り組みを支援する。
薬剤師等のメディカルスタッフを対象とした人材養成事業には136件の申請があり、専門家と有識者で構成する委員会で審査した結果、12件の取り組みを選定。そのうち、「指導力を有し、地域医療で活躍できる薬剤師の養成」事業には、大阪大学の「地域チーム医療を担う薬剤師養成プログラム」、昭和大学の「大学と地域で育てるホームファーマシスト」の2件が選ばれた。
薬剤師養成プログラムでは、大学が病院、診療所、薬局等と組織的に連携し、学生教育プログラム、指導薬剤師の資質向上プログラム、実務家教員の研修等を通じて指導力を有し、地域医療で活躍できる薬剤師となる学生を養成するプログラムコースを構築。全国に普及させることができる優れた事業計画を選ぶとしていた。