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文部科学省、ポスト「京」、創薬を重点課題―高速計算で生体分子機能制御へ

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2014年07月28日 AM09:39


■文科省が9分野決定

文部科学省の検討会は、スーパーコンピュータ「京」の100倍の計算性能を持つ後継機と位置づけるポスト「京」で重点的に取り組む9分野の課題を決めた。世界に先導する成果が期待できる分野の一つに創薬を採択。低分子阻害剤の創薬ターゲットが枯渇する中、機能阻害にとどまらず、高速計算で網羅的に生体分子システムの機能を制御する薬剤を設計すること等を狙い、創薬プロセスの革新を目指す。

純国産のスパコンとして稼働した「京」は、世界で初めて処理速度10ペタプロップスを突破し、新薬開発等に利用されてきたが、米国や中国、欧州等が100京倍の「エクサ級」スパコン開発の国際競争を激化させる中、日本も国家プロジェクトとして「京」の100倍の処理速度を持つ後継機の開発に着手。今回、ポスト「京」で国家的に解決を目指す課題の一つに創薬を位置づけた。

ポスト「京」は、2020年に日本を代表する世界トップレベルのスパコンの「フラッグシップ2020プロジェクト」と位置づけ、20年までに創薬等の課題に対応できる汎用システムを実現し、「京」の100倍の処理速度を誇るエクサ級を目指すもの。

「京」の後継機として、生体分子システムの機能制御による革新的創薬基盤の構築、個別化・予防医療を支援する統合計算生命科学等9分野の重点課題に取り組むことを決めた。

特に創薬分野では、長時間にわたるダイナミクス計算により、副作用因子を含む多数の生体分子機能を予測し、有効性の高い安全な創薬の実現を目指す。

また、ポスト「京」を駆使する分子シミュレーション法を開発し、多数の蛋白質の創薬計算を大幅に加速、それらのダイナミクスを考慮した薬剤との相互作用を予測し、機能制御をする薬剤の設計に役立てる。これにより、枯渇する創薬ターゲットを拡大し、蛋白質の機能制御から生体分子システムの制御へと創薬プロセスの革新を目指していく計画だ。

次回検討会で報告書をまとめることにしており、その後、ポスト「京」で取り組む創薬分野について、アプリケーション開発や研究開発推進体制に責任を持つ代表機関を公募し、審査を行った上で決定する予定となっている。

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