在宅・介護施設における薬物治療を薬局が支える体制構築を目指す日本在宅薬学会が取り組む在宅療養支援認定薬剤師制度が、同分野としては初となる薬剤師認定制度認証機構(CPC)の認定を受けた。21日の記者会見で、同学会の狭間研至理事長が明らかにした。第1回目となる認定試験を11月3日、東京都内で実施する。
同学会では2013年4月から在宅療養支援を行う薬剤師に向けた認定薬剤師制度を開始しているが、先月20日にCPCの認定を受けた。
同認定制度は、超高齢社会の到来を迎え変貌する社会医療ニーズに対応するため薬剤師としての知識、技能、態度の3項目を習得し、良質の医療を提供することを目的としたもの。在宅や居住系施設で療養中の要介護高齢者の薬物治療、がん患者に対する薬剤師の専門性を生かし、他の医療職種と情報共有を密にしながら、チーム医療の一員として国民の保健、医療、福祉に貢献できる認定薬剤師の育成を目標に掲げる。
試験の申請要件は、▽日本国の薬剤師資格を有し3年以上の薬剤師実務経験があること▽CPCにより認証された生涯研修認定制度による認定薬剤師、日本病院薬剤師また日本医療薬学会認定薬剤師であること▽所定の研修講座受講で35単位以上を取得▽在宅業務の実践による5事例の報告の提出▽同学会主催の学術大会に参加▽バイタルサイン講習会を受講していること――など。
狭間氏は「11月の試験後に、面接試験を予定しており、今年度中には第1回の認定を行いたい」とし、受験者数については「十数人程度になるのではないか」と見通した。
認定薬剤師のイメージについては「在宅療養支援として、配薬や整理のみならず、患者にアセスメントし、薬物治療の適正化に向けて踏み出せる薬剤師。認定者は氏名と所属先をウェブサイトで公表し、在宅医療を展開する医師などとのマッチングも図れるようにしたい」とした。
中期的な計画としては、同学会が認定の試験要件となる事例を経験できる施設(薬局)認定を行うと共に、医師をはじめとした関係職種や一般の人たちに対し認定薬剤師や認定薬局の周知を図っていく。