薬剤微量投与に対応可能
テルモ株式会社は7月17日、新たな閉鎖式輸液システム「シュアプラグAD」シリーズについて、全国の医療機関に対する本格販売を開始したと発表した。
画像はプレスリリースより
今回発売されたシュアプラグADシリーズは、製品の混注部に薬剤滞留をなくすべく独自に開発した新構造を採用。薬剤の微量投与にも対応可能なシステムとなっている。また、注射器や点滴器具を接続する際に通常用いる専用アダプターは不要であり、簡単かつ迅速に、そして確実に接続して薬液を注入できるようになった。
院内におけるさまざまな点滴ニーズに対応、細菌侵入や操作ミスなどリスク対策にも
入院中や手術後の患者においては、輸液を用いた体調管理が必要となる。とくに手術室や集中治療室では、患者の体内に入る薬剤を微量でコントロールしなければならないケースも多く、注入の際に点滴ルートの接続部にわずかに残る薬剤の量も考慮することが必要とされている。
また、1本の点滴ルートに複数のその他の点滴ルート、三方活栓や閉鎖式注入口など医療機器を組み合わせて、さまざまな薬剤を投与することも多い。こうした複雑な点滴ルートの管理は、物品準備の繁雑さや流量の調整、接続忘れなどのリスクを生じやすい。さらに、接続時に点滴ルート内へ細菌が侵入するリスクへの対策も欠かせず、対策が必要とされてきた。
こうしたなかで、多くの診療科や部署を有する大病院であれば、点滴ルートのアイテム数が10を超えることも少なくなく、部署ごとに異なるメーカー・仕様の物品を使用していることもあるなど、管理に課題を抱えているケースが多かった。
シュアプラグADシリーズは、そうした課題を解決し、物品管理を容易にするほか、操作間違いなどのリスク低減にも寄与し、経済面・臨床面で価値をもたらすことが期待できるという。混注部はポリプロピレンで、チューブはPVCフリーと、薬剤ごとの材質使い分けも不要であるほか、製品が半透明となっているため、内部の視認性も向上している。
同シリーズには、静脈ライン用コネクタ(「シュアプラグAD」、「シュアプラグADマニフォールド」)や、輸液ポンプ用ストップコック(「シュアプラグAD三方活栓」)を構成品とする自然落下式・ポンプ接続兼用輸液セット(「シュアプラグAD輸液セット」)、延長チューブ(「シュアプラグAD延長チューブ」)がある。
テルモは、これら点滴に用いる医療機器をシステムで提案し、医療現場の安全と効率化に貢献していきたいとしている。(紫音 裕)
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・テルモ株式会社 プレスリリース