機能を高めた次世代品の評価研究を開始
アンジェスMG株式会社は7月11日、同社の主力開発品である虚血性疾患治療剤「コラテジェン(R)」について、機能を大幅に高めた次世代製品の開発に着手したことを明らかにした。
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これは、現在開発中のコラテジェンが上市された後を見据え、さらなる取り組みをスタートさせたもの。コラテジェンは、血管再生やリンパ管再生などの作用を持つ肝細胞増殖因子(HGF)遺伝子からなる遺伝子治療用医薬品。アンジェスMGが設立以来開発を手がけてきたもので、2014年第3四半期中に、重症虚血肢を対象としたグローバル第3相臨床試験として患者への投与を開始する予定となっている。
重症虚血肢以外では、原発性リンパ浮腫を対象に、第1/2相臨床試験を世界に先駆け、日本国内で実施している。
2015年末までに正式な採用技術を決定
同剤は、HGF遺伝子を含んだプラスミドDNAを患部に直接注射し投与する。そのDNAが細胞内に取り込まれることで、作用を発揮するという仕組みだ。
現行品では、この細胞内への取り込み(細胞導入)を高める技術を採用していないが、次世代品では、細胞導入効率を飛躍的に向上させる技術を併用する方針だという。近年の世界的に進む安全性の高い細胞導入技術開発を背景に、複数の候補技術のうち1つに着目し、それを評価する試験を開始させたそうだ。今後、他の候補技術についても試験を実施し、2015年末までには、正式に採用技術を決定する予定としている。
同社は、この技術を用い細胞導入の効率を高めることで、より少量の薬剤で現在と同等あるいはそれ以上の効果を発揮することができると期待できるとしている。実現すれば、投与による患者負担を軽減できるほか、事業面でコラテジェンの収益性向上も望めるとし、積極的な開発を進めていく予定だ。(紫音 裕)
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・アンジェスMG株式会社 ニュースリリース