医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > プレミアム > 実務実習費は増加傾向に―私立薬大の実態調査

実務実習費は増加傾向に―私立薬大の実態調査

読了時間:約 2分
このエントリーをはてなブックマークに追加
2014年07月16日 AM09:51


■病院・薬局、地域別で格差

薬学系の私立57大学・学部の2013年度実務実習実態調査結果がまとまった。調整機構経由・非経由を合わせた全体として病院実習費用は「35万円~40万円未満」、薬局実習は「27万5000円超~30万円未満」がそれぞれ多く、両者間で未だ開きが大きい。また、地区ブロック別で実習費に差はあるが、薬局実習に関しては概ね「27万5000円以下」~「27万5000円超~30万円未満」の範囲にあった。一方の病院実習は東海・北陸では主に「27万5000円以下」だが、関東、近畿では6割程度が「35万円~40万円未満」を占めており、地域による開きが大きい状況が続いていることなどが明らかになった。

13年度の国公立を除く私立大学・学部における実務実習実施施設数・受入学生数は、病院5335施設(前年度5470施設)に対し9505人(同9666人)と施設数、学生数ともに前年度を下回った。これを調整機構(機構)経由と非経由(大学独自で契約)の別で見ると、機構経由は3695施設(前年度3899施設)に対し5499人(同5810人)と、施設数では69%、学生数では58%となった。

薬局は全体で8481施設で9501人の学生を受け入れ、機構経由の施設は99%、学生数では95%だった。

大学教員の実習期間中の実習施設への訪問回数は、病院、薬局ともに「3回」程度が最も多くそれぞれ38、39大学、次いで「2回」程度がそれぞれ11、12大学と前年度と同様だった。

実習費用については、病院実習9505人のうち、「35万円~40万円未満」が4252人と45%(同41%)を占め、11年度の40%以降、漸増傾向にある。逆に「27万5000円以下」は2146人(同23%)、「27万5000円超~30万円未満」が1割にも満たない780人8%で、それぞれ11年度の比率27%、10%と比べて漸減傾向となっており、全体として病院実習費は上昇傾向にある。

薬局実習では実習生9501人のうち、「27万5000円超~30万円未満」が6261人と66%となり、「27万5000円以下」は3182人の34%で、11年度はそれぞれ60%、40%であり、薬局実習費についても病院同様に上昇傾向にあるようだ。

地域格差が大きい病院実習費について各地域ブロック別に見ると、東海・北陸は学生699人のうち「27万5000円以下」が523人の75%と最も多く、関東と近畿では「35万円~40万円未満」がそれぞれ学生4231人のうち2552人の60%、2273人のうち1404人の62%と、過半数を超し地域格差が見られた。なお、大学独自の契約は、北海道・東北、関東、東海・北陸の各ブロックで、実習費については関東では「35万円~40万円未満」が62%を占めたのに対し、東海・北陸では「45万円以上」が52%、「27万5000円超~30万円未満」が34%とブロック内でも大きな格差があるようだ。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 プレミアム 行政・経営

  • 【PMDA】コロナ薬投与で注意喚起-妊娠可能性ある女性に
  • 【薬価部会】不採算品再算定、対象絞り込みを-25年度中間年改定
  • 【厚労省調査】敷地内薬局、専門連携の1割-処方箋集中率は93.1%
  • 【臨試協調査】外資が日本を第I相拠点に-国内実施のメリット認識か
  • 【NPhA】半数以上が後発品を選択-長期品選定療養に一定効果