■次期改定はエビデンス提示を
厚生労働省医政局経済課の城克文課長は12日、名古屋市内で開かれた日本ジェネリック医薬品学会第8回学術大会で講演し、新たなGE薬の薬価算定ルールがスタートした以降の市場について、「価格としては15~20%下がっているのに等しく、厳しい状況」としながら、4月の診療報酬改定で、新たな後発医薬品調剤体制加算の設置やDPC病院における機能評価係数IIに後発医薬品係数が入ったことで、数量ベースでは拡大しているとの現状認識を示した。ただ、調剤体制加算については「政策誘導点数であって、営業補償のための点数ではない。皆が取れるようになったらいらない。それに向けて努力をしてほしい」との考えを示した
既存GE薬の薬価が3価格帯になったが、「始まりが5割で、万遍なくばらけると3価格帯になるが、実際は一つとか二つというものが出てきている。GE薬の価格はほぼ同じ、逆にいえば、市場実勢価を引き上げてでも価格帯を揃えるという強い中央社会保険医療協議会側の意志が示されている」とした。
次回のGE薬の薬価改定議論については「(初収載品目は)5割、(既存品は)全体統一価格から始まるのではないか」「それが、困るのであれば、それをどのようにエビデンスをもって反論していくかを考えるべき」との認識を示した。今回の中医協でのGE薬議論の感想として「GE薬という部分で議論を進める中で、あまりにもプレーヤーの協力を得られていないという印象があった」とし、内容検討よりも支援体制が優先課題との認識を示した。
ロードマップに掲げる数量目標については、「現状のペースでいくと、もっと早く達成できるかもしれない」との見方を示した。
また、今回の診療報酬改定では「薬価引き下げと診療報酬のプラス改定を切り離したが、これを固定化しようというのが、毎年薬価改定の動きでもある」と言及。来年10月の消費税の引き上げについても「保険者は消費税が上がったからといって保険料収入が上がるわけではない。ここを確保するため、併せて薬価改定の要望が中医協であった」とし、「次の消費税引き上げ、毎年薬価改定に向けて、モノが動く時にどう考えるべきかということが一つの課題として目前に残っている」とした。
一方、バイオシミラーについては「GE薬扱いのようだが、承認審査で要求されるデータは新薬に近いもの」とした上で、市場単価は高くても需要もあり、国内での開発面の弱さを指摘。「設備投資が相当にいる分野で、そう簡単には手を出せない」とのGE薬メーカーの現状を示しながら、その部分について支援していく方向性についても含みをもたせた。