認知症成人患者を対象に脳内ベータアミロイド老人斑沈着密度を評価
英国のGEヘルスケアは現地時間の6月27日、同社のフルテメタモールF18注射剤である「ビザミル(TM)」について、欧州医薬品庁ヒト用医薬品委員会(CHMP)から、承認を勧告する肯定的意見を得たと発表した。
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ビザミルは、アルツハイマー病(AD)およびその他の認知障害が疑われる認知症成人患者を対象に、脳内におけるベータアミロイド老人斑沈着の密度を評価するポジトロン断層撮影法(PET)用の放射性医薬品。診断のみを用途とする医薬品で、臨床評価と組み合わせて使用する。
ビザミルを使用したPETイメージングは、ADの病理学的バイオマーカーの1つとされる脳内ベータアミロイドの蓄積を検出し、カラー画像での視覚的読影を可能にするという。このことから、臨床評価と組み合わせることで、ADおよびその他の認知障害における早期診断や介入治療の実現につながると見込まれている。
FDAも2013年10月に承認、適切な治療選択肢の決定をサポート
今回の勧告は、複数の臨床試験成績の審査結果に基づいてなされた。これらの試験には第3相脳剖検・生検試験が含まれており、ベータアミロイドの病理学的所見をstandard of truthとした場合で、同剤を用いたフルテメタモールPET画像の視覚的読影により高い感度と特異度が示されたという。
同剤に関しては、米国食品医薬品局(FDA)が昨年10月に、ADまたは他の認知障害が疑われる成人患者を対象とする、ベータアミロイド老人斑密度の推定に使用するPET検査用放射性医薬品で承認を付与している。
GEヘルスケアでは、同剤を用いて得た画像の正確な読影をサポートするため、米国拠点の医師を対象とする電子読影トレーニングプログラム(ETP)を開発、これを修了した者を読影者としている。このプログラムは医療専門家に対し、無償で提供する。EUにおいても、同剤が承認され次第、オンラインおよび対面によるプログラムのトレーニングが利用可能となるという。(紫音 裕)
▼外部リンク
・GEヘルスケア・ジャパン株式会社 プレスリリース