去勢抵抗性前立腺がんのアンメットメディカルニーズに応える新たな治療選択肢
サノフィ株式会社は7月10日に前立腺がん治療薬「ジェブタナ(R)(一般名:カバジタキセル)」の承認後初となるメディアセミナーを開催。横浜市立大学大学院 医学研究科泌尿器病態学の上村博司准教授を迎え「前立腺がん治療における化学療法の意義と役割」と題して講演が行われた。
横浜市立大学大学院 医学研究科泌尿器病態学
上村博司准教授
転移性の前立腺がんは多くの場合、男性ホルモンの分泌や働きを抑えるホルモン療法が標準的に行われる。しかし去勢状態にあった患者の病態が進行することがあり、これを「去勢抵抗性前立腺がん」という。
2012年版の前立腺癌治療ガイドラインでは、去勢抵抗性前立腺がんに対してはドセタキセル/プレドニゾン治療が標準的治療とされていた。しかしドセタキセル抵抗性となった後の治療法が確立されておらず、新たな治療法の研究が必要とされていた。今回承認されたカバジタキセルはこのアンメットメディカルニーズに応える新たな治療選択肢となる。
前立腺がん治療における化学療法の意義と役割
前立腺がんは不均一な疾患であり画一的な治療方法でなく、様々な治療方法を活かすことが重要である。去勢抵抗性前立腺がんに対しては依然としてドセタキセルが標準的治療薬であるが、ドセタキセル治療後の選択肢としてカバジタキセルは有効である。
その一方でカバジタキセルは副作用対策も重要だという。特に発熱性好中球減少には注意が必要。頻回に血液検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められたら減量や休薬、投与の中止を検討するなど適切な処置を行わなければならないという。
「病態の進行を見逃さず、適切なタイミングで治療を切り替えることが重要」と上村准教授は語った。(QLifePro編集部)
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・サノフィ株式会社 プレスリリース