医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > 協和発酵キリン バルドキソロンメチルの国内開発を再開

協和発酵キリン バルドキソロンメチルの国内開発を再開

読了時間:約 1分22秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2014年07月11日 PM06:00

第2相臨床試験の中止から新たな開発方針で臨床試験再開へ

協和発酵キリン株式会社は7月2日、国内での開発を中止していた2型糖尿病を合併する慢性腎臓病治療薬「(開発番号:RTA 402)」について、新たな開発方針を決定し、臨床試験を開始すると発表した。


この画像はイメージです

バルドキソロンメチルは、米リアタ ファーマシューティカルズ(リアタ社)から協和発酵キリンが導入した低分子化合物。開発中にリアタ社が米国・欧州・カナダ・オーストラリア・中米において実施した、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病患者を対象とした第3相臨床試験のプラセボ対照比較試験、BEACON試験で、同剤による心不全の発現リスクが確認され、安全性上の懸念が生じたことから、協和発酵キリンでは2013年11月、第2相臨床試験の中止を決定。今後の開発方針を検討していた。

詳細な分析結果をもとに、2型糖尿病併発慢性腎臓病で開発の継続を決定

協和発酵キリンによると、あらためて同社がBEACON試験データを詳細に分析し、それをもとに医薬品医療機器総合機構に相談を行った結果、患者の安全性に十分配慮し、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病患者に対する治療薬として、バルドキソロンメチルの国内開発を再開・継続することとなったという。今後新たに実施する国内第2相臨床試験で、同剤の安全性および有効性を評価する。

バルドキソロンメチルは、体内の250以上の抗酸化因子および解毒因子の産生を調節する転写因子であるNrf2を活性化することで、細胞内の抗酸化因子の増加や炎症のシグナル経路を抑制し、組織を炎症から保護するという。慢性炎症は2型糖尿病や心血管イベント、および慢性腎不全などの合併症を促進することが知られており、慢性炎症を抑えることで効果を発揮すると考えられている。

協和発酵キリンでは、2009年12月24日にリアタ社との間で、バルドキソロンメチルの日本、中国、台湾、韓国および東南アジア諸国における独占的開発・販売権を取得するライセンス契約を締結している。なお現在リアタ社は同剤に関し、肺動脈性肺高血圧症を対象とした開発を米国で進めており、こちらは第2相臨床試験の段階にある。(紫音 裕)

▼外部リンク
協和発酵キリン株式会社 ニュースリリース

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • ジョンソン・エンド・ジョンソン 肺がん領域に初参入
  • レポトレクチニブ「がん細胞が耐性を獲得しにくく、長期使用に期待」
  • 2025年1月より社長交代で新たな体制へ‐アレクシオンファーマ
  • ミリキズマブの炎症性腸疾患に対する長期持続的有効・安全性データを公開-リリー
  • 転移性尿路上皮がん、一次治療における新たな選択肢への期待