ドセタキセル治療後の前立腺がん患者に対して、全生存期間の延長を示す
サノフィ株式会社は7月4日、前立腺がんの効能・効果で「ジェブタナ(R)点滴静注60mg(一般名:カバジタキセル アセトン付加物)」の製造販売承認を、同日付けで厚生労働省より取得したと発表した。
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前立腺がんの進行には、男性ホルモンの影響が関係していることから、男性ホルモンの分泌や働きを抑えるホルモン療法が標準的に施行される。
男性ホルモンの分泌が抑えられている場合にも、病勢が進行する状態である去勢抵抗性前立腺がんには、標準治療として抗がん剤であるドセタキセルによる化学療法が行われるが、ドセタキセル投与後も症状が進行した患者に対して、生存期間の延長に寄与できる治療法は限られている。
今回承認されたジェブタナは細胞内の微小管に作用して、細胞増殖を阻害する抗がん剤。ドセタキセル治療後の前立腺がん患者に対して、全生存期間の延長を示した薬剤の1つである。
厚労省からの開発要請受け、優先審査項目として承認
海外で実施した第3相試験(TROPIC試験)においては、全生存期間の中央値がミトキサントロン併用群の12.7カ月に対して、カバジタキセル群は15.1カ月(ハザード比=0.70 (95%信頼区間:0.59-0.83); P<0.0001)と有意な延長を示した。
2010年6月には、米国においてドセタキセルによる化学療法施行歴を有する転移性去勢抵抗性前立腺がんの治療薬として承認されており、2014年1月現在、85の国または地域で承認されている。
日本では、厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、同剤は医療上の必要性が高い薬剤と評価され、2012年4月に同省より開発要請を受けた。その後、海外で実施した第3相試験結果と、国内の第1相試験結果等に基づき、2013年7月承認申請を行い、優先審査品目として審査され、承認に至った。(浅見園子)
▼外部リンク
・サノフィ株式会社 プレスリリース