肥満の人にとって減量は大切。でもどんないいことがあるの?
肥満の人たちが減量に成功すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?この疑問を追求するため、肥満治療のために3カ月ごとに病院を受診している311人の女性と、79人の男性を対象に調査がペンシルバニア大学らによって行われました。
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参加者には、以下の3つの方法からそれぞれ1つを割り振られました。
(1)体重コントロールの必要性や方法について、通院時に印刷物を配布して勉強してもらう(この施設で肥満の人を対象に行う「通常の方法」)。
(2)日常生活についての専門家からの簡単なカウンセリングを受け、自分の生活を振り返ってもらう。
(3)健康的なライフスタイルへの変化をもたらすために、「方法2」に加えて食事療法を行うか、減量のために薬を服用してもらう。
開始後6か月での平均の減量状況では、(1)では2キロ弱、(2)のライフスタイルに関する簡単なカウンセリングでは約3.5キロ、(3)のカウンセリングにプラスして食事や薬物療法を受けた人たちでは約6.5キロでした。
減量に成功した人は睡眠の質と気分がアップ
すると、観察を開始した時点の体重より5%以上の減量ができた人たちでは、方法の如何に関わらず、以前よりも20分以上長く睡眠時間を取ることができるようになっており、減量が5%未満の人の1分と大きな開きが出ました。また、睡眠に関する満足度も高くなっており、うつ傾向や不安など、ネガティブな気分に陥ることが少なくなっていました。
このことから、肥満の人たちにとっての減量は、睡眠の質や気分にも影響を及ぼすことが分かりました。肥満や肥満解消への取り組みは、体だけではなくココロの健康にも密接な関係があるのですね。(唐土 ミツル)