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大鵬薬品 抗悪性腫瘍剤「TAS-102」の第3相試験結果をESMOで発表

読了時間:約 1分30秒
2014年07月07日 PM03:30

日本ではロンサーフ配合錠T15・T20として販売中

大鵬薬品工業株式会社は、現地時間6月28日にスペイン・バルセロナで開催された第16回世界消化器がん学会において、進行・再発の結腸・直腸がん患者を対象とした抗悪性腫瘍剤「(一般名:トリフルリジン・チピラシル塩酸塩)」に関する国際共同臨床第3相試験の結果を発表した。


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同剤は、トリフルリジン(FTD)とチピラシル塩酸塩(TPI)を配合した経口のヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤。日本では「(R)配合錠T15・T20」として今年5月から世界に先駆け発売されている。

FTDはDNAの複製時にチミジンの代わりに直接DNA鎖に取り込まれ、DNAの機能障害を引き起こして抗腫瘍効果を発揮すると推測されており、TPIはFTDの分解に関与するチミジンホスホリラーゼを阻害し、FTDの血中濃度を維持するとしている。

米国で2014年末、欧州で2015年第1四半期の申請目指す

国際共同臨床第3相試験においては、TAS-102投与群はプラセボ投与群に比較して、主要評価項目である全生存期間(OS)を有意に延長し(HR=0.68、p<0.0001)、延長目標を達成。また同群は、プラセボ投与群に比較して死亡リスクを32%低減、OS中央値は、同群とプラセボ投与群で、それぞれ7.1カ月(95% CI:6.5-7.8)と5.3カ月(95% CI:4.6-6.0)で、同群がプラセボ投与群に比較して1.8カ月延長したとしている。

無増悪生存期間(PFS)については、TAS-102投与群は疾患増悪のリスクを52%有意に減少(HR=0.48、p<0.0001)。病勢コントロール率は、TAS-102投与群で44.0%に対して、プラセボ投与群では16.3%だった(p<0.0001)。これらの結果は、全ての試験実施地域で同様だったという。

同試験の研究代表者の一人である独立行政法人 国立がん研究センター 早期・探索臨床研究センター長の大津敦氏はニュースリリースで、

本試験結果は、新たな治療選択肢として、治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんに対するTAS-102の有用性を示唆するものです。(大鵬薬品工業株式会社 ニュースリリースより引用)

と述べている。この結果に基づき、大鵬薬品は米国で2014年末、欧州で2015年第1四半期の申請を目指すとしている。(浅見園子)

▼外部リンク
大鵬薬品工業株式会社 ニュースリリース

 

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