これまで、薬価改定直前の3月取引分については、通常であれば改定前に妥結率がほぼ100%に達していることや、関係者の負担などを考慮して行ってこなかったが、昨年の薬価本調査時の妥結率が低調だったことを受け、日本医薬品卸売業連合会と日本保険薬局協会(NPhA)のワーキングチーム(WT)、薬卸連と日本製薬工業協会によるWTが調査の実施を確認していた。
妥結状況を見ると、病院が99・0%、診療所が99・9%、医療機関全体では99・4%だった。一方、保険薬局は、20店舗以上のチェーン薬局は92・4%とやや低かったものの、その他の薬局は99・6%で、昨年9月の薬価調査に比べ、大幅に改善していた。
厚労省は、「改定直前の3月とはいえ、98・4%に達したことについては、販売側、購入側、双方の努力の結果」とした。
総価取引の状況を薬価改定2年目の2011年度と13年度で比較すると、単品単価取引の割合がチェーン薬局で37・2%から63・3%に大きく伸び、200床以上の病院では、51・9%から53・4%に伸びて改善傾向を示した。
単品総価も含めると、13年度は200床以上の病院が87%、調剤薬局チェーンは94%で、厚労省は「緊急提言で指摘されている総価契約についても改善されている」と評価した。
嶋口充輝座長(慶應義塾大学名誉教授)も単品単価について、「順調に増加しており、改善傾向が見られた」とする一方で、「気を緩めず、さらに進めてもらいたい」と要請した。
また、07年にまとめた「緊急提言」で掲げた課題への取り組みについても言及。流通の川上においては、一次売差マイナス、割り戻し・アローアンスなどのさらなる改善に向けた議論を継続してもらいたいと要請した。
14年度診療報酬改定で妥結率が低い200床以上の病院の初・再診料や薬局の調剤基本料などを引き下げる未妥結減算ルールが新たに導入されたことに触れ、川下においては、早期妥結に向け、卸側は速やかに価格提示を行うと共に、医療機関、薬局側も速やかに価格交渉を実施するよう求めた。