夜間低血糖の定義に関わらずリスクを有意に低下
ノボ ノルディスクファーマ株式会社は6月27日、持効型溶解インスリンアナログ製剤「トレシーバ(R)(一般名:インスリン デグルデク)」について、2型糖尿病患者における夜間低血糖をどのように定義しても、その発現頻度はインスリン グラルギンと比較して有意に低くなることを発表した。
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これは、第74回米国糖尿病学会(ADA)年次集会で発表されたもの。1型糖尿病患者でも、統計的な有意差はみられなかったものの、夜間低血糖の定義に関わらず、その発現頻度はインスリン グラルギンより、トレシーバで低いことも示された。トレシーバは、これまでの臨床試験でインスリン グラルギンと同様の血糖コントロールの改善を示すことが確認されている。
時間帯や低血糖判断の閾値を変更し検討、一貫して発現頻度が低下
今回の報告は、すでに発表されたトレシーバのデータを用い、これまで使用されていた夜間低血糖の定義に加え、症状のみの低血糖、ADAの定義に準拠した低血糖、夜間の指す時間帯を6時間から8時間に延長し、21:59~5:59および0:01~7:59とする2つの時間帯とするといった、複数の他の定義も用いて再解析を行った検討結果だ。主な内容として、以下の結果が公開されている。
インスリン治療歴のない2型糖尿病患者で、トレシーバ1,279人、インスリン グラルギン631人を対象とした解析では、これまでの定義の低血糖を「血糖値56mg/dL未満あるいは第三者の処置が必要であった重大な低血糖」とし、夜間とする時間帯を0:01~5:59とした場合、インスリン グラルギンと比較して、夜間低血糖の発現頻度はトレシーバで有意に低くなったという。定義をADAによる「症状が認められ血糖値70mg/dL以下」を低血糖に、時間帯を0:01~5:59に変更しても、トレシーバで有意に低い結果となった。
Basal-Bolus療法実施中の2型糖尿病患者で、トレシーバ742人、インスリン グラルギン248人を解析対象としたところ、上記のこれまでに使用されていた定義で、夜間低血糖発現頻度は、インスリン グラルギンに比べ、トレシーバで有意に低くなったという。また、低血糖をADAの定義として、時間帯を0:01~5:59とした解析でも、トレシーバで有意に低いことが確認された。
1型糖尿病患者では、トレシーバ637人、インスリン グラルギン316人を解析対象とした。その結果、夜間低血糖の発現頻度は、これまでに使用されていた先の定義でも、ADAによる低血糖の定義および時間帯を0:01~5:59とした場合でも、トレシーバで数値的に低くなることが分かった。
これらの解析結果から、夜間低血糖の定義によらず、一貫した結果が得られたと発表されている。(紫音 裕)
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・ノボ ノルディスクファーマ株式会社 プレスリリース