承認されれば日本初のADA酵素補充療法用薬剤に
帝人株式会社は6月26日、英シグマ・タウ・ファルマ社とアデノシンデアミナーゼ(ADA)欠損症治療剤「EZN-2279」の日本における独占的開発・販売契約を締結したことを発表した。
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この契約に基づき日本におけるEZN-2279の開発は、帝人グループの帝人ファーマ株式会社が推進するという。
EZN-2279は、ADA欠損症患者にADAを補充することで、リンパ球の減少を抑える注射剤。日本では、厚生労働省設置の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において医療上の必要性が高い薬剤として、開発企業が募集された。承認されれば、日本初のADA酵素補充療法用薬剤となる。
2014年度中の国内第3相臨床試験開始を予定
ADA欠損症治療では現在、造血幹細胞移植が第1選択肢に位置づけられており、困難な場合においてはADAを注射で補充する酵素補充療法や遺伝子治療などが行われている。しかし、日本では酵素補充療法薬剤が未承認であり、治療上の課題とされていた。
帝人は今後、EZN-2279の開発を進め、2014年度中には国内第3相臨床試験を開始する予定。難病指定を受けている患者のQOL向上貢献を目指すとしている。(小林 周)
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・帝人株式会社 プレスリリース